Column
BtoBマーケを駆動する“刺さるコンテンツ”とは
事例コンテンツの効能と活用方法
- クリエイティブ
2026.02.20
2025.02.20
こんな人におすすめ
- マーケティング施策を実施しても、思うような効果が得られない
- コンテンツの調達に苦労している
- 事例コンテンツの制作を検討している
昨今のBtoBマーケティングは、MAの普及から始まりLPを起点としたマーケティングフローの確立などデジタルシフトが急速に進み、携わる人材もデジタルに明るい人材が重宝されるなど、多くの組織で完全にデジタルマーケティングへの移行を終えたといっても良い状況です。
一方で、施策の設計や構築は順調に進んだものの、マーケティングの運用フェーズで思っていたほどの効果が上がらないといった課題に直面している企業が増加しています。こうした課題の背景には、施策の設計自体に不備があったり、ターゲティングに課題があったりと様々な理由が考えられます。実際、多くのBtoBマーケターから、マーケティングの仕組みやフローに改善の余地がないか相談されることが多く、その注目の高さが伺えます。
しかし、マーケティングの仕組みやフローに問題が無くても、マーケティングの効果が上がらない原因は他にもたくさん存在します。その筆頭とも言えるのが“コンテンツの課題”です。
俗人化を廃し高度に仕組み化されたデジタルマーケティングでは、コンテンツの品質こそがマーケティングの成否を左右する最も重要な要素であるといっても過言ではありません。高品質なコンテンツを、最適なタイミングで届けることができるならば、マーケティング施策の効果はさらに高いものになる事は間違いありません。
謂わば、「有効なコンテンツの調達」は現在のBtoBマーケティングの生命線と言えるでしょう。
BtoBマーケティングの根底は、いかにして「信頼」を醸成していくか
BtoBマーケティングを行ううえで、最も重要なことの一つに「信頼の醸成」があります。
BtoBにおける購買活動は、事業運営上の課題解決や、ニーズの充足という目的を達成するために行われます。例えば「コスト削減」「生産性向上」「売上向上」「リスク管理」「法規制の遵守」など様々です。故に、購買が失敗するということは、その目的が果たされずに企業活動にも影響を与えてしまいます。これは、購買に関与するポジションにとっては大きな重圧であり、購買にあたっては慎重に情報収集と精査を行います。そこには「失敗を回避したい」という思考が少なからず働いていると考えられます。
また、BtoBでは継続的な取引が求められる傾向にありますが、これも「失敗の回避」という視点から見ると納得がいきます。継続的な取引があれば、取引実績の蓄積や多くの情報交換を通してお互いを知り、信頼関係が出来上がっています。サービスレベルも明確にイメージできているため、取引失敗のリスクが低減することになります。そのため、取引実績のある企業や製品が選ばれやすくなるのです。
このようにBtoBにおける購買行動では、「失敗を回避したい」という心理が働き、購入先に対して潜在的に「信頼」を求めるのです。そのため、いかにして「信頼」を醸成していくのかはBtoBマーケティングを行っていくうえで非常に重要なポイントになります。もちろん、BtoBマーケティングを駆動していく生命線であるコンテンツにも、信頼の醸成に寄与しなくてはなりません。
BtoBマーケティングに有効なコンテンツの条件とは
BtoBマーケティングにおける有効なコンテンツの条件とはなんでしょうか?それはBtoBマーケティングの特徴を考えることで、その糸口が見えてきます。
BtoBマーケティンの最大の特徴は「狭いマーケットに反して競合が多い」ことと、「決裁におけるステークホルダーが多く、受注までの行程が複雑」ということです。また、BtoBではBtoCと比較して購買には多くの責任が伴います。それは、稟議を通す際の説明責任であったり、導入効果に対する責任であったりと、コンシューマー向け製品とは比較にならない程の大きな責任になります。よって、購買を決定するには相応の信頼を得る必要があります。信頼は一朝一夕で得る事はできませんが、継続したマーケティング施策を通して積み重ねていく必要があります。当然、コンテンツにも信頼を得るための機能が求められます。
さらに、訴求する製品がITサービスであるならば、「届けたい内容が難解になりがち」といった特徴もあります。こうした特徴を踏まえると、BtoBマーケティングで有効なコンテンツの条件が見えてきます。
- 多くのコンテンツの中で、容易に差別化できるコンテンツ
- 様々なステークホルダーに対応すべく、多様なコンテンツ形態に対応できるコンテンツ
- 難解なソリューションを分かりやすく伝えられるコンテンツ
- コンテンツを通して、信頼を醸成できる
こうした条件を満たすことができるコンテンツが調達できるならば、多くのマーケティング施策は効果を最大限に発揮できるはずです。「そんな事は分かっている」「それが簡単に出来れば苦労しない」といった声が聞こえてきそうですが、この条件を容易に満たすことができるコンテンツは既にマーケティングやセールスの場で活用されているコンテンツの中に存在しています。それが“事例コンテンツ”です。
事例コンテンツが有効であることは間違いありません。「事例コンテンツは効果が高い」ということを、実体験や直感的に理解しているマーケターも数多くいると思います。しかし、使い方次第ではそのポテンシャルを十二分に引き出すことが出来ず、宝の持ち腐れになってしまいます。
では、事例コンテンツのポテンシャルを最大限に引き出すためには、どのような事に注意すれば良いのか考えていきましょう。
事例コンテンツの効能
「事例コンテンツの有効性を感じているマーケターは多い」と言いましたが、ここでは「なぜ、事例コンテンツは有効なのか?」を再整理してみます。
事例コンテンツの効能として、多くの方が最初に想像するのは「難しい内容を分かりやすく伝えることができる」「一般的な説明コンテンツと比べて興味を惹きつけやすい」といったことではないでしょうか? 事例コンテンツは多くの場合、人が登場して対話形式で説明が進みます。これは、文字列や図解だけのコンテンツと比較して柔らかく取っ付きやすい印象を与える効果があり、興味を惹きつけやすいと言えます。実際、同じ内容のコンテンツで人が写った写真が入ったものと、文字列だけのものを比較した検証でも、人の写真が入ったものの方が効果が高かったという結果も出ています。この効果だけでも事例コンテンツを活用は有効であると言えるでしょう。
次に、事例コンテンツには「加工や量産がしやすく、スピーディに制作できる」という特徴があります。事例コンテンツはお客様企業との対話の場さえ確保出来れば、対話そのものがコンテンツとして成立します。よって制作会社とのコミュニケーションは一般的なコンテンツと比べて低くなる傾向にあります。ただし、これには条件があり、「コンスタントに事例コンテンツを調達するためのフローが出来ている」ということが必須です。「お客様からどのようなコメントを引き出したいのか?」「そのためにどのような質問や取材をするのか?」「取材後の確認はどのように行うのか?」といった企画と運用のフローを構築しておく必要があります。
最後に、事例コンテンツの特筆すべき特徴として「ターゲットを安心させることができる」というものがあります。前述の通り、BtoBではサービスや製品を導入する際、多くの人が関わり、また導入後は多くの人が活用します。つまり、ひとつの製品導入がもたらす影響や結果が、非常に多くの人の未来を左右します。よって導入に関わる人、特に決定権をもった役職者は「失敗が許されない」という潜在的な不安を持っています。逆説的には安心材料を求めていると言えるでしょう。事例コンテンツは当然ながら「他社との取引実績」であり、「過去に起きた成功」です。これは、意思決定者の潜在的な不安を直接的に払拭し、信頼を醸成するための特効薬として作用します。「導入した結果、どのような効果がある」という未来を想像して安心してもらうことで、導入への障壁を下げる効果が期待できます。
このように、事例コンテンツにはBtoBマーケティングに最適な効能が数多くあります。しかし、多くの組織で活かしきれていないという実態があるのです。
マーケティングフェーズやターゲットの状況に合わせて使うことが重要
事例コンテンツを活かしきれていない原因のひとつは、「誰に、どのフェーズで使うか」を明確化していないということです。「事例が有効だから作ろう」という衝動だけで制作してしまうと、こうした事態に陥ってしまいます。
確かに事例コンテンツは、マーケティングの広いフェーズで活用が可能です。しかし、事例を活用するマーケティングファネルごとに構成要素の強弱が変わります。例えば、認知獲得のファネルでは、読者にとっては「どのような業種でどのように使われているか?」や「どのような企業が導入しているか?」が刺さりやすく、比較検討のファネルでは「どのような課題を解決したか」や「どのような使い方をしているのか?」といった実務的な内容が好まれます。
また、事例を届ける相手の立場も重要です。例えば、経営部門にとっての課題は「その企業全体の成長に関わる中長期的な課題」である事が多く、中長期で得られる価値に対する興味が高くなります。一方で、管理部門の課題は「ルーチンワークなどの慢性的な課題」である事が多く、業務効率やコストメリットに対する興味が高くなります。事業部門では「売上や営業目的に直結する課題」が多くなり、四半期などの短期的な目標に直結する事が多いといった具合です。こうした役割によって欲する情報が違うということを意識せず、網羅的なコンテンツとして制作してしまうと、本来届けるべきメッセージが埋もれてしまい、せっかくの事例コンテンツも効果は半減してしまいます。
このように、しっかりと企画された事例コンテンツはBtoBマーケティングを効果的に駆動する有効打として十分に期待できる反面、企画段階が疎かであったり、作り方や活用方法を誤ると効果が得られないという事態に陥ってしまいます。その効能と使用方法を十分に検討し、マーケティング施策の決定打として有効活用していきましょう。